【医学部編入試験】僕が0から対策するなら(III)

勉強法

(I)と(II)では高校生物の勉強の仕方、及び英語の勉強について解説した。

今回は自然科学の勉強をもう少し踏み込んで、大学レベルの生命科学の対策を説明していこうと思う。

これから医学部編入試験の対策をする人、初学者の方は(I)と(II)から読んでいただきたい。

始めに自然科学を学ぶ上で最も重要なことを紹介しておく。それは

自然科学は「理解」が圧倒的に重要であり、断片的な「暗記」は非生産的である

ということである。自然科学、生命科学は古くから先人たちが積み上げた知見の上に

成り立っており、一つの発見は多くの実験的、時代的、知識的背景を有している

これらをストーリーとして「理解」することが最重要である

一問一答はアウトプット用に使うべきであって、インプットには向かない。

背景知識0の状態から断片的な知識を「暗記」しようとすることは

無秩序な数列を暗記しようとすることに等しい。

複数の知識に、「ストーリー」「論理」といった串を差し込んで繋げていくことで

使いこなせる実践的な知識になるし、生命現象のどうしようもない興味深さに触れることができる


医学部編入試験の生命科学対策で使用する教科書・問題集

まず始めに、僕が受験生になったときに使用していく教材を列挙する。それぞれの特徴や使い方をしっかりと理解してほしい。

Essential細胞生物学(原書第5版) [ 中村桂子 ]

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細胞の分子生物学第6版 [ ブルース・アルバーツ ]

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医学部編入試験を目指すならどちらか一冊は手元に置いておきたい、必須の教材である。両者とも細胞生物学、分子生物学だけに留まらず、代謝や生化学、免疫学の基礎まで解説してくれている。問題集等を解いていく中で、わからない問題や知らなかった知識の背景にあるものを本書を用いて理解していく。そして一つ覚えておいてほしいことがある。それは 決して通読しないこと である。たまに通読しようとする方を見かけるが1000ページ以上あること、実際に問題の題材となる部分は限られていることから、通読はあまりに生産性が低いと言わざるを得ない。 あくまで辞書的に、背景知識の確認や理解を得るために使用していく。 それでも結果として、医学部編入試験を受験するころには、ボロボロになるくらいまで使い込んでいるはずである。冒頭でも解説したが「ストーリー」を知ることが最重要事項であり、本書ではいずれも必要十分な解説を得ることができるからである。

生物[生物基礎・生物] 標準問題精講 [ 石原將弘 ]

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大学受験用の応用・発展問題集である。アウトプットのリソースとして利用する。大学教養レベルの題材を使っている問題も数多く収録されている。もちろん、植物や生態系の分野を解く必要はない。 ここで確認しておきたいが 大学受験の生物 < 医学部編入試験の生命科学 という図式は成り立たない。純粋な問題の難易度自体は難関大学の生物の問題の方が難しいといっても、決して誇張ではないと個人的に考えている。 インプットした知識の運用、実験考察問題における科学的思考など、大学受験の生物の重要性は非常に大きい。そしてそれらは編入試験でも大いに役に立つ。 一問一答とは異なり、問題ごとにテーマがあり、その背景知識と一緒に生物学的思考を学ぶことができる点は大いに評価できる。この問題集は決して易しいものではなく、多くの人が苦戦するだろう。それだけ内容の濃い良問が収録されているからである。先に挙げた教科書や、「 【医学部編入試験】僕が0から対策するなら(I) 」で取り上げたチャート式などを参照しながら理解を深めてほしい。

【送料無料】 医学部編入への生命科学演習 / 井出冬章 【本】

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この界隈では知らない人はいないであろう河合塾KALSから出版されている、恐らく市販で唯一販売されている医学部編入試験向けの問題集である。生物学、生理学、生化学、発生学など基礎医学の領域ごとに問題が収録されており、非常に実践的な問題集である。 基礎を確認するA問題と、応用問題のB問題があるが、最初はA問題だけ解くことをおすすめするB問題は最近の編入試験の問題とズレているものが多く、解説もほぼ皆無であることから、生命科学の力がある程度身につかないと理解が難しい。 本書のデメリットは解説がほぼ皆無であることである。 また内容もやや古くなってしまっている。それでもA問題は良問が多く、アウトプットリソースとして優れている。

がん領域や生理学、免疫学など、編入試験では頻出であるにも関わらずアウトプットする問題集が乏しい分野もある。

それらのジャンルを実践的に対策できるように、稚拙ながら私が作成した問題集がおすすめである。

実際に出題実績のあるテーマを中心に、背景知識まで確認できるように作成しているため、非常に有効な対策になると自負している。

解説も図解も加えながら可能な限り詳細に作っているため、学習の助けになると思う。疑問点があれば、私にご連絡頂ければできる範囲で対応することも可能である。

ご興味がある方は下記のページで確認してほしい。


生命科学全般の対策・勉強法

医学部編入試験の生命科学の勉強はアウトプットと流れの理解が骨格となる。

可能な限り、解く問題は「リード文」がついていて、周辺知識の確認ができるものが望ましい。

具体的には次の順序で学習を進めていく。

  1. 標準問題精講(植物や植生を除く)を4問/dayで解く
  2. 問題のテーマに該当する部分を教科書で確認する
  3. 一通り理解できたら、自分の言葉で誰かに説明するor紙に文章として書く
  4. 標準問題精講の後は「医学部編入試験への生命科学」のA問題を解く
  5. 問題のテーマに該当する部分を教科書で確認する
  6. 一通り理解できたら、自分の言葉で誰かに説明するor紙に文章として書く

なお、「医学部編入試験への生命科学」の生理学や発生学の問題については

上述した教科書だけではやや物足りないかもしれない。

適宜、ネットで調べたり、専門書を参照しながら解いていこう。

ある程度学習が進んだ段階で、一問一答で知識の確認をするのもいいだろう。

とにかく「理解」を知識同士繋がり意識して勉強してほしい

そして個人的には生命科学の魅力を大いに感じてほしいし、語り合いたい。

どうしても理解できない分野もあるだろう。そんな時にはSNSなどをうまく活用して解決して行きたい(それが難しいのではあるが)

私も時間が許す限り、クライアントの質問対応には応じるように努めている。


今回は生命科学全般の対策をしてきた。

次回は生理学や生化学、発生学など自然科学の中でも個別の対策についてお話ししていきたいと思う。

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