【医学部受験】一番大事な科目は国語である理由

勉強法

医学部受験を控えた受験生やその保護者が考えるべき最重要の科目といえば、生物や化学といった専門科目がすぐに思い浮かべる人が多いでしょう。しかしながら医学部受験において、実は国語が最も大事な科目であるという事実をしっかり認識している人は少ないです。国語はただ文学作品を味わうための科目ではありません。受験生の読解力、処理能力、表現力、言語化能力といった、試験を乗り越えるための基本スキルを育成するために国語の力は不可欠です。。この記事では、国語がなぜ医学部受験において重要なのか、その理由を深掘りして説明します。

実は国語が最重要科目

医学部受験における国語の学習は、単に識字であったり文章を音読できるようになる訓練のことではありません。それは義務教育で身につけておかなければなりません。言葉や活字を通じて各学問の複雑な概念や情報を解析して整理する能力を養う必要があります。この力は医学部の試験の中でも特に重要な役割を果たします。国語の能力がなければ、生物学や化学の専門書の複雑な文や専門用語を解読することができず、それらの科目における知識の習得が困難になります。数学の参考書には「したがって」「故に」「〜と同値である」などの簡単な接続詞や文節が出てきますが、これらでさえ満足に理解できている受験生は多くありません。国語の授業で培われる読解力は、問題の根本的な要求を理解し、あるいはわからない問題を理解するための取っ掛かりを見つけ、適切な答えを導き出すために不可欠です。

医学部受験に国語力は必須レベルである理由

読解力の重要性

医学部受験で直面する教科書や問題文は、しばしば専門用語や複雑な文脈を含んでいます。特に生物学や化学のような科目では、複雑な代謝過程や反応機構が細かく記述されていて、これらを理解するには一定以上の読解力が必須です。つまり最低限の国語力がない段階で理系の勉強を始めても、「書いてあることは読めるけど、結局どういうことかわからない」という状況に陥りかねません。さらに国語で培った読解力は、テキストに隠されたニュアンスを捉え、重要な情報を抽出するのに役立ちます。また、選択肢の細かい違いを見分ける力も、国語の読解訓練によって鍛えられます。

表現力と論理的思考

医学部受験の試験では、論述問題や短答問題が頻出しますし、面接試験でも想定外の質問でも瞬時に答えを考え、それらを言語化する必要があります。学校の国語の授業では、教科書を読んでお決まりの課題を提出するだけで終わりです。一方で医学部受験に必要な国語力とは主に、与えられたテーマに対して自分の考えを組織的に整理し、それを文章にする練習を行うことで初めて鍛えられます。

情報の言語化能力

医学部受験では、限られた時間の中で多くの問題に答える必要があります。このため、読んだ内容を迅速に理解し、それを自分の言葉で表現する言語化能力が不可欠です。国語の学習を通じて、文章から核心を素早くつかむ力と、それを簡潔に言語化する力を同時に鍛えなければなりません。この力は単に読書するだけでは絶対に向上しません。毎日意識的に文章を読み、それに対して自分の意見を文章としてまとめる訓練が必要です。

総合的な思考力の向上

国語は他のどの科目よりも、総合的な思考力を養成する科目と言えます。文章を読み、そこから情報を抽出し、それに基づいて自らの意見や考えを形成する—この一連のプロセスは、医学部受験の多くの科目で求められる能力です。特に医学部の場合、様々な情報を統合し、それをもとに論理的な判断を下す能力が求められますが、これは国語の学習を通じて習得することができるスキルです。

医学部受験に必要な国語力を鍛える方法

古来より医学部受験をはじめ、理系の難関大受験において国語は「時の運」と言われることが多いです。「勉強してもすぐには点数が上がらない」「理科社会に力入れた方がコスパがいい」「国語は勉強しても伸びる保証がない」などは予備校業界にいると頻繁に耳にします。正直に言えばそれは「残り時間が短い、かつ受かるか落ちるか絶妙な学力ラインの受験生」にしか当てはまりません。

まだ受験まで時間がある人や、社会人から再度医学部の受験を志す人(医学部編入試験含む)など、これから勉強を始める人視点では絶対に国語を最初に勉強すべきです。だって国語力のあるなしで、その後の学習のクオリティーが変わってくるからです。今の学習効率が20%上がった状態を数年継続した時に、国語を勉強しなかった数年と比較しても結果は大きく変わってきますよね。

では国語力を鍛えるためにはどのようにすればいいのでしょうか。大きく「読書量」と「演習量」の二つに分けられます。

読書量の重要性

読書は語彙力を増やし、文の構造や表現の多様性を理解するのに役立ちます。広範囲にわたる読書を通じて、様々なスタイルやジャンルのテキストに触れることで、読解力が自然と向上します。ここで重要なことは、「同じジャンルの本ばかり読まないこと」です。小説を読むのは大いに結構ですが、可能な限り様々な作者の作品を読み、表現方法を比較したり、文章の癖から筆者の思考回路を類推するよう意識しましょう。他にも自己啓発本や哲学本、時には漫画を読むことも重要です。試験を意識して読書をするときには、ただ読むだけでなく「自分がこの作品から問題を作るならどこに傍線を引くか」を意識すると実践的でしょう。読書を通じて複雑な文や長文に慣れることは、医学部受験の読解問題に直接的な助けとなります。

問題演習量の重要性

一方で、問題演習は試験に特化した訓練を提供します。過去問や模擬試験を解くことで、試験の形式や求められる回答のスタイルを把握し、時間内に効率よく問題を解く技術を磨きます。特に国語では、文章の要旨をつかむ訓練や、情報の抽出、論点の整理といった能力が問われるため、これらのスキルを問題演習を通じて高めることが重要です。どうしても読書だけでは試験で高得点を取るための力を効率的に身につけることはできません。試験で頻出な設問やそれに対する解答力、着眼点などは実際にたくさん問題を解く中で身に付くものです。

医学部受験を目指す人はまず国語を学べ

国語の重要性は、医学部受験を目前に控えた受験生やその保護者がしばしば見落としがちな点です。しかし、国語は医学部受験の成功に不可欠な科目であり、それは試験で求められるすべてのスキルの基礎を形成します。高い国語力を持つことで、理系科目をはじめ専門科目の教材を深く理解し、その知識を習得する道が開かれます。このため、比較的初期から国語の学習に力を入れることは、医学部受験における大きなアドバンテージとなり、長期的な学習の成功にもつながります。医学部を目指す皆さんにとって、国語力の強化は他のどの科目を学ぶ以上に重要であり、その準備には十分な時間を割くべきです。

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